平成28年度 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 25 40 63 183 202 455 1,110 1,155 417
 上白根病院は、神奈川県横浜市西部医療圏に属し、総人口約111万人(2010年)の大都市型二次医療圏であります。その中でも、当院のある旭区につきましては、2015年をピークに将来推計人口が減少傾向にあり、2025年には65歳以上の方が5割を超える見込みとなっております。また、2035年には生産年齢人口(15歳から64歳まで)が54.6%に対して、高齢者人口・後期高齢者人口(65歳以上)が57.9%と、人口割合が逆転されることが見込まれております。
 当院の平成28年度退院患者数は前年度より約300人増加しております。年齢構成としましては、70歳以上の患者割合が73.5%と地域の高齢化が患者層にも如実に表れております。地域の先生方や介護施設との連携を深めるとともに、院内では受入れ態勢の強化とチーム連携の強化を図りました。これは、当院の理念でもある「地域の中心となる病院として、いつでも安心できる医療を心を込めて提供する」に通じるものであります。
 地域の特性上、大学病院やがんセンターなど機能の異なる病院が集まった地域になっているため、当院としては地域の皆様に医療や介護が必要になったとき、最適な環境が提供できる「あんしんネットワーク」で支えていくことをコンセプトとしております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 270 21.93 21.25 18.52 85.06
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 258 1.02 3.00 0.00 67.32
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 87 1.38 7.89 0.00 67.46
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 58 18.09 17.95 6.90 81.98
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 58 15.66 12.43 5.17 80.81
 当科は年齢構成が示す通り、ご高齢の患者さまが中心になっております。疾患構成としましては、他医療機関や施設との連携を密に図っていることから、入院が繰り返される誤嚥性肺炎が多いことが特徴となっております。また、下部消化管に対する大腸内視鏡検査に力を注いでいることから、小腸大腸の良性疾患や穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患の患者数が多くなっているのも特徴のひとつになっております。更には、心不全や腎臓または尿路の感染症が続いており、患者さまの年齢層の特性が疾患構成にも影響しております。
 昨年、肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上)手術なしが3番目に位置しておりました。診療報酬改定によりA-DROPスコアの導入があり、分散された形になっておりますが、肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)についても84件と内科的な構成はほぼ同様になっております。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 77 1.01 3.00 0.00 68.57
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 44 5.30 7.89 0.00 61.89
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 32 5.56 9.08 3.13 75.13
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 28 4.82 5.50 0.00 58.86
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 19 4.26 5.60 0.00 38.26
 当科では主に消化器の悪性腫瘍の手術・化学療法、および胆石、鼠径ヘルニア、気胸等の良性疾患の外科治療を行っております。当院は急性期病院であり、急性虫垂炎や消化管穿孔を初めとした腹部救急などの外科的治療を行っているのも特徴になっております。また、ほとんどの疾患に対して全国平均在院日数よりも短縮した日数で退院しているのが特徴になっております。標準化から一歩先の医療を患者さまに提供すること目標としております。当科は消化器疾患に対して、内科との連携を密に図ることにより、診断から治療までの一貫した流れを提供するだけではなく、患者さまの不安や問題、悩みも取り除けるようなケア体制を構築しております。
 上記に示した疾患とは別に、当科の特徴を示しておりますので、ご参照ください。

060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 
患者数 14名 平均在院日数(自院)  6.57 平均在院日数(全国)  6.82 転院率  0.00 平均年齢 61.50

060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等  
患者数 12名 平均在院日数(自院)  6.92 平均在院日数(全国)  9.91 転院率  0.00 平均年齢 55.58

060035xx0101xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 
患者数 10名 平均在院日数(自院) 20.10 平均在院日数(全国) 30.58 転院率 10.00 平均年齢 77.20

060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし
患者数 10名 平均在院日数(自院) 9.80 平均在院日数(全国) 11.06 転院率 0.00 平均年齢 79.90

060020xx97x0xx 胃の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし
患者数 -名 平均在院日数(自院) 7.33 平均在院日数(全国) 17.58 転院率 66.67 平均年齢 72.11

060020xx02x1xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等21あり
患者数 -名 平均在院日数(自院) 21.29 平均在院日数(全国) 36.21 転院率 0.00 平均年齢 81.71

060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
患者数 -名 平均在院日数(自院) 17.14 平均在院日数(全国) 15.92 転院率 0.00 平均年齢 71.29

060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
患者数 -名 平均在院日数(自院)  8.00 平均在院日数(全国)  7.61 転院率 0.00 平均年齢 60.86

060335xx0210xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし
患者数 -名 平均在院日数(自院) 13.00 平均在院日数(全国) 22.09 転院率 0.00 平均年齢 60.86

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 151 28.38 27.63 7.95 84.39
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 109 21.20 20.57 4.59 79.97
070350xx99xxxx 椎間板変性、ヘルニア 手術なし 20 10.65 9.13 5.00 64.05
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし 16 22.69 20.45 6.25 81.50
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 15 5.00 5.49 0.00 60.00
 骨折は非常に多い疾患ですが、当科では股関節大腿近位骨折に対するご高齢の患者さまが多く、平均年齢が84.39歳と超高齢な患者構成になっております。近年、内科的合併症(心疾患など)を持った患者さまが増加傾向にあるため、内科医・麻酔科医と連携し、安全に手術が出来る体制を整えております。
 次いで、当科ではご高齢の患者さまの圧迫骨折が多くなっております。胸椎・腰椎圧迫骨折は脊椎圧迫骨折の一種で、外部から加えられた圧迫する力によって脊椎の椎体と呼ばれる部分が潰れてしまうことによって起こる病態です。頻度としては、第11~12胸椎と第1腰椎の移行部に多発するとされています。圧迫骨折は基本的には骨の強度(密度)が低下している高齢者や女性に多いと言われております。基本的な治療法は、保存治療となりますので、コルセットを着用し骨が形成されるまで患部の固定と安静が必要となります。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030410xxxxxxxx めまい(末梢前庭以外) 44 4.05 5.52 0.00 69.23
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 31 17.71 16.54 19.35 73.16
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 8.00 7.52 0.00 82.33
010060×2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 14 14.21 20.18 7.14 79.43
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 13 12.08 11.83 0.00 77.46
 発症前Rankin Scaleにより件数が分散されておりますが、当科では特に脳梗塞の患者さまが多く、早期に行ったCT・MRI画像から梗塞巣を発見し、発症後24時間以内に効果があるエダラボン(脳梗塞の急性期に適応する薬剤)を使用する症例が多くなっております。脳梗塞に関しては、スピードが重要(時間との勝負)になりますので、この一連の流れを短縮させ、如何に早く治療に移行できるかが重要になります。また、早期にリハビリテーション(運動機能・基本的動作能力の回復等を目的とした理学療法や日常生活動作能力・高次脳機能障害の回復等を目的とした作業療法、摂食機能の回復等を目的とした言語聴覚療法)を行うことによって、実用的な日常生活がおくれるようになることを目指しております。
 また、ご高齢の患者さまの慢性硬膜下血腫については、診断から手術までを一連で行っております。見過ごされがちな症状や状態の変化についても、診察時に気付いていけるよう患者さまと向き合っていきたいと考えております。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 2.00 3.44 0.00 75.00
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 1.33 2.91 0.00 77.00
020370xx99xxxx 視神経の疾患 手術なし 3.00 11.09 0.00 78.00
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 3.00 7.01 0.00 70.00
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 3.00 7.70 0.00 99.00
 白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの検査や治療を中心に眼科一般に対応しております。当科は、平成27年10月から白内障手術を開始しており、DPC対象外〔短期滞在手術〕になりますが、平成28年4月から平成29年3月までで508件の眼内レンズを挿入する手術(水晶体再建術)を行っております。白内障手術は現在、お待ちいただく場合もございますが、一日に対応出来る件数を増やし、少しでも早く患者さまに手術を受けていただけるような体制の構築にも尽力しております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 22 1 6
大腸癌 15 26 18 1 6
乳癌 1 6
肺癌 1 6
肝癌 1 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 最近ではそれぞれの疾患(特に悪性疾患)に対する専門性が重要視され、消化器外科については日本消化器外科学会専門医関連施設であり、専門医による診療を行いつつ専門医の育成指導にあたっております。当科は横浜市立大学医学部外科治療学教室の関連施設として、近隣のがん治療専門施設である神奈川がんセンターと密接に連携しております。
当科では外科領域、消化器領域、がん領域の各学会指導医、専門医を中心に疾患ごとのガイドラインや最新のコンセンサスに基づいた医療を提供しております。

1、 診断に関しては、問診・診察に加え消化管造影検査・CT・内視鏡検査など十分な検査を行って病状や進行度を把握します。
2、 病気そのものだけではなく、既往症や合併症から患者さまごとの評価が重要であり、必要に応じて他科専門医とも連携をとっております。
3、 治療に関しては、手術治療はもとより、抗がん剤・分子標的薬による化学療法、放射線治療を組み合わせて、患者さまの病態に見合った最適な治療方針を決めていきます。
4、 患者さまにより良い医療が提供できるよう、学会発表やセミナーなどへの参加を積極的に行い、最新の情報・医療技術の習得にも力をいれています。
5、 患者さまの経済的負担を軽減するため、できる限り短期間の入院、早期の社会復帰を追及します。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 9.33 49.33
中等症 58 13.69 75.31
重症 26 18.62 84.88
超重症 25 21.60 82.40
不明
患者さまの年齢構成と重症度には相関関係があり、当院の傾向としては重症度の高い、ご高齢の患者さまが多い傾向にあります。 

0400801499×011 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病ありA-DROP スコア1 
平均在院日数(自院)16.00 平均在院日数(全国)16.89

0400801499×012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病ありA-DROP スコア2 
平均在院日数(自院)14.71 平均在院日数(全国)18.71

0400801499×013 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病ありA-DROP スコア3 
平均在院日数(自院)20.87 平均在院日数(全国)20.10

0400801499×014 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病ありA-DROP スコア4 
平均在院日数(自院)24.00 平均在院日数(全国)20.40

0400801499×015 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病ありA-DROP スコア5 
平均在院日数(自院)18.29 平均在院日数(全国)18.33

 軽症、中等症については、平均在院日数が全国平均と比較しても短く、早期に在宅や施設に復帰できておりますが、重症例になると、年齢的な要因が加味され、全国の平均在院日数よりも長くなる傾向がございます。

脳梗塞のICD10別患者数等

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ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 11 5.45 81.27 0.00
その他
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群
I63$ 脳梗塞 3日以内 101 19.45 79.90 22.86
その他 4 32.00 85.25 0.95
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症>
I679 脳血管疾患,詳細不明
 当院では、脳梗塞の前段階とも言われるTIA(一過性脳虚血発作)の患者さまの診療も行っております。TIA(一過性脳虚血発作)は、脳の一部の血液の流れが一時的に悪くなることで、半身の運動麻痺などの症状が現れ、24時間以内(多くは数分から数十分)に完全に消えてしまいます。脳細胞に栄養を与えている脳の動脈が血栓(血の塊)で詰まり、症状が現れますが、脳細胞が死んでしまう前に血流の流れが再び良くなるため、脳細胞が元の機能を回復し、症状も消失します。
 それに対し、脳梗塞は脳血流が遮断され、脳動脈の閉塞ないし、狭窄に伴って神経細胞に血液が十分に供給されなくなり、神経細胞が障害されます。細い血管の動脈硬化によるものをラクナ梗塞、太い血管の動脈硬化によるものをアテローム血栓性脳梗塞といいます。心原性脳塞栓症は心臓内にできた血栓が血液の流れにのって脳に届き、脳動脈をつめて起こります。これら脳梗塞の患者さまはほとんどが発症から3日以内に受診をされ、治療に至っております。話しにくさ、手のしびれ、片側に傾いてしまう等の症状がでた場合には、スピードが重要(時間との勝負)になりますので、躊躇せずに受診をお願いいたします。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 89 0.03 0.99 0.00 69.06
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 19 4.37 9.05 0.00 81.95
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 12.56 22.00 22.22 86.67
K6851 内視鏡的胆道結石除去術(胆道砕石術を伴うもの) 11.29 6.57 14.29 81.29
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 0.60 7.60 0.00 78.80
 大腸にできる隆起性の病変(いぼのようなもの)を一般的に大腸ポリープといいます。ポリープにはいろいろな形があり、大きさも1㎜程度から5㎝以上と異なります。当科では、検査にて指摘されたポリープを切除する手術が一番多く、検査から治療までの一連の流れを患者さまに提供することによって、信頼関係を築いた状態で治療にあたることができる環境にあります。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 56 1.29 2.13 0.00 68.45
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 36 5.36 4.92 0.00 63.33
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 30 0.00 1.00 0.00 69.77
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 22 6.50 13.82 4.55 76.77
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 19 0.26 3.00 0.00 38.26
 当科では、おなかを切らずに小さな穴からおこなう腹腔鏡下ヘルニア修復術を行っております。腹腔鏡下ヘルニア修復術は、最初に1cmの小さな孔から腹腔鏡を入れておなかの中を観察し、筋肉の開いた穴の位置を正確に診断します。診断後ポリプロピレンでできている網のシートを小さな孔からおなかの中に入れて広げます。そのシートをおなかの中で筋肉の欠損している穴の部分にあてて閉鎖し、補強する手術です。
 腹腔鏡下ヘルニア修復術の利点としては、小さな3個の孔だけで行う手術ですので、ある程度の突っ張り感はありますが、手術後の痛みは非常に少なく、傷痕はほとんど残りません。おなかの中から腸管がでている穴がはっきり確認できますので正確な診断が可能であり、確実な治療がおこなえることから、腹腔鏡下ヘルニア修復術後の再発は非常に少ないという報告があります。
 以下、外科手術症例についても併せてご参照ください。

K635-2 腹腔・静脈シャントバルブ設置術 
患者数 11名 平均術前日数 1.55 平均術後日数 6.09 転院率  9.09 平均年齢 66.27

K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 
患者数 10名 平均術前日数 2.10 平均術後日数 1.30 転院率 70.00 平均年齢 72.20

K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの)
患者数 10名 平均術前日数 0.60 平均術後日数 4.20 転院率  0.00 平均年齢 56.40

K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 
患者数 -名 平均術前日数 6.67 平均術後日数 12.78 転院率  0.00 平均年齢 79.22

K639 急性汎発性腹膜炎手術 
患者数 -名 平均術前日数 2.00 平均術後日数 17.88 転院率  0.00 平均年齢 73.13

K672 胆嚢摘出術
患者数 -名 平均術前日数 10.13 平均術後日数 8.00 転院率 12.50 平均年齢 75.75

K688 内視鏡的胆道ステント留置術
患者数 -名 平均術前日数  3.38 平均術後日数 7.25 転院率  0.00 平均年齢 79.88

K6335 鼠径ヘルニア手術 
患者数 -名 平均術前日数  2.00 平均術後日数 3.86 転院率  0.00 平均年齢 70.29

K7404 直腸切除・切断術(切断術)
患者数 -名 平均術前日数 3.17 平均術後日数 24.17 転院率 16.67 平均年齢 73.50

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 108 4.85 22.43 8.33 83.34
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 73 6.67 21.58 8.22 81.21
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 46 2.70 12.78 2.17 62.41
K0463 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他) 24 2.42 9.04 0.00 56.33
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿) 20 0.75 1.50 0.00 48.25
 当科では、股関節大腿近位骨折に対して、骨折観血的手術・人工骨頭挿入術がおこなわれております。疾患に対して、在院日数が全国平均よりも長い傾向にありますが、超高齢者が多く内科的合併症(心疾患など)を持った患者さまが増加傾向にあるため、内科医・麻酔科医と協力し、安全に手術出来るような体制を整えております。股関節大腿近位骨折とは股関節の骨折でありますが、骨折した部位や状態によって手術手技が異なります。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 14 1.21 9.79 0.00 78.00
 慢性硬膜下血腫は、軽微な頭部打撲をきっかけに、脳の表面(脳表)に微量の出血あるいは脳脊髄液がたまり、その反応でつくられた膜から少しずつ出血が繰り返され大きくなると考えられています。きっかけになる頭部外傷がはっきりしないこともまれではありません。
 頭部外傷の直後は無症状か頭痛程度の症状しかないことが多く、このため、病院を受診しない方がほとんどになります。このあと、3週間から数ヶ月かけて血腫がつくられ、頭蓋骨の内側の圧が高まり(頭蓋内圧亢進)、頭痛や吐き気・嘔吐が現れます。また、血腫による脳の圧迫症状として半身麻痺(片麻痺)、言語障害などが初期症状のこともあります。また、軽度の意識障害として、元気がなかったり、認知症症状がみられることもあります。
 症状がみられればCTで診断することができます。血腫が少量で症状も軽微な場合は、自然吸収を期待して経過観察とすることもありますが、通常は局所麻酔下にて慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術がおこなわれます。症状が進行している場合を除き、予後は良好でほとんどは社会復帰が可能ですが、軽い後遺症(片麻痺、言語障害や認知症症状)が残る場合もあります。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 508 0.01 0.62 0.00 77.01
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 0.00 1.00 0.00 75.00
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 0.00 2.00 0.00 79.67
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの) 0.00 0.67 0.00 81.67
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) 0.00 1.00 0.00 81.00
 白内障手術は、水晶体というレンズに相当する部分が濁る状態です。水晶体の濁り方により、視力低下、霧視(かすむ)、羞明(まぶしい)、近視化(もともと遠方がよく見えていたのに遠方が見えにくくなってくる)といった症状がみられるようになります。進行を抑える点眼を行いますが、白内障が進行し生活に不自由が出るような場合は濁った水晶体を取り除き、きれいな人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入する手術(水晶体再建術)を行います。当科での白内障手術は、日帰りまたは一泊入院での手術を行っております。通常は点眼による局所麻酔で10~15分程度の手術になりますが、認知症が強く安静が保てないような患者さまに対しては全身麻酔下による手術も対応しております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 0.19
180010 敗血症 同一 0.03
異なる 10 0.27
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 10 0.27
異なる 0.05
合併症
 術後合併症については、次の4つに大別されます。
  1、手術手技に関連する合併症
  2、手術侵襲に起因する合併症
  3、麻酔に関連する合併症
  4、術後管理に関する合併症

 その中でも、術後出血や創部感染等がみられることが稀にありますが、手術に対しての不安や悩み、違和感を感じたら医師や看護師に相談し、直ぐに対応できる環境・関係性を築いておくことが重要になります。極めて稀ではありますが、手術後に望まない不都合が生じる場合があります。不安を取り除いた状態で、安心して手術に臨んでいただけるよう、スタッフひとりひとりが環境作りに努めておりますので、どのようなことでもかまいませんので、ご相談ください。
更新履歴
2017.9.25